「お金の一番の使い道は、善行だと思っている」
THE・HUSTLE 脚本ジャック・スカエファー 監督クリス・アディスン 2019.5

「お金の一番の使い道は、善行だと思っている」
THE・HUSTLE 脚本ジャック・スカエファー 監督クリス・アディスン 2019.5

「新約聖書に私の好きな言葉があります。『イエスは言われた。見えなかったのであれば、罪はなかったであろう。しかし、いま、『見える』とあなたたちは言っている。だから、あなたたちの罪は残る。
私も、一人の何も見えていない人として、『私には見えている』と言い張るのではなく、せいぜい『私からはこう見えているが、あなたからはどうか』と言えるようにしたいと常に思っています。それが、知的に誠実な態度だからです。」
堀正岳「知的生活の設計」KADOKAWA 2018.11

「最初の映画が、世界の中で自分が何者なのかを学んでいく若者を描いた教養小説だとすると、続編は、人生の選択がもたらす現実に向き合う成熟した女性たちの物語なんです。」
「人事をかけて打ち込んできた仕事があって、それを引退する時、あなたは人々に自分が成し遂げた功績をどんなふうに覚えていて欲しいですか?」
「原作と前作の映画がなお幅広い層に支持されている理由のひとつは、そこに描かれている感情が普遍的なものだからだと思います。 (中略)トップになりたいなら、たとえその過程で全てを犠牲にしても、高一水準を目指す必要があるんです。」
「この世界で頂点に立つとは、才能だけでなく、他人や自分自身を切り捨てることでもあると悟る。ミランダからあなたは私に似ていると告げられたアンディは、ついにその価値観から身を引く決意を固め、仕事を辞めて新たな道へ進む。」
「ミランダ・プリーストリーは冷たく感情を見せず、仕事だけに没頭する人物に映る。だが物語が進むにつれ、その印象は変化していく。アンディは彼女の中に、単なる冷酷さではなく、最高の仕事を求める妥協なき姿勢を見出し、そこから多くを学んでいくのである。」
「最終的にアンディは、世間的な成功そのものではなく"自分にとっての成功を求める意志"こそが大切なのだと気づく。自分を変えていく中で、彼女は一度、自分を失いかける。しかし、その迷いを経るからこそ、彼女はあらためて、自分が何者であり、何を選び取りたいのか問い直すことになる。」
「単に女性が綺麗になる話ではない。この正解のルールを理解し、その中で認められる存在へ変わっていくことを意味すると同時に、その価値観に少しづつ染まっていくことでもあった。そこが、この映画を普通の変身物語よりも深いものにしていた。もう一つ優れている点は、成功を"うれしいもの"としても"人を変えてしまう危ういもの"としても描いた点である。アンディは仕事を通して確かに成長はするが、その変化は一面的に肯定されない。仕事ができるようになる一方で、彼女は少しづつ自分らしさや大切にしていた価値観をを失いかけていく。だからこの映画は、単純な成功物語でもなければ、ファッション業界を否定するものでもない。上へ進むことの魅力をしっかり見せながら、その裏にある犠牲や痛みも描いている。そこに、この映画の深さがあり、今観ても古びない理由があるのだ。」
老齢はこわくない
「純粋の知的歓びからである。〜中略〜
私は英語を専攻したが、その中に職業のみならず、時間も空腹も忘れることの
できる喜びの根源を発見したのである。
一切の義務から解放された状態で、次から次へと新刊を取り寄せて朝から
読んでいられる定年後の人生が、今では待ち遠しいような気がするのだ。
〜中略〜
この知的喜びの根源は、私が少なくとも読書に関しては『自己に忠実』であった
ことの報酬として与えられたものだと解釈している。
少年の頃の『おもしろさ』をどこまでも忘れずに、
そこに至らないおもしろさは本物ではないとしてきた、そのほうびであろう。
知的生産の真の喜びは、自己に忠実であって、不完全を誤魔化さないことを
通じてのみ与えられるもののようである。」
「こうして見ていくと、彼らの悩みや苦しみ、あるいは思い込みは、いずれも
人と人との関係に端を発していることがわかります。
依存症の根っこには、否定される関係、支配される関係、本当のことを言えない関係
の3つのタイプがあると考えています。
何をやってもダメ出しをされる否定される関係は僕たちの心を傷つけます。
否定されるだけではなく、さらに同意を迫られたならば、それは支配される関係
と言えるでしょう。
例えば、子供を殴る親がいたとします。殴ったあと、穏やかにあなたのためを思ってやったのよと言われれば、子供は反論できなくなってしまいます。
また、親からの過剰な期待が、支配される関係を生むこともあります。
親にしてみれば教育熱心のつもりでやっていることが、子どもにとって脅迫であるケースは珍しくありません。
否定される関係や支配される関係は、人を嘘つきにします。
否定されるくらいなら否定する方がマシだと、自分から人とのつながりを
断ってしまうかもしれません。
支配される関係のもとで感情を押し殺し続ければ、
それを心の奥に閉じ込め、自分自身に嘘をつくことになります。
結果、本当のことを言えない関係が生まれます。」
「一人でどうにかできないときは、人に頼ればいいのです。
知っていそうな人に聞いたり、知る方法を思いつきそうな人に尋ねたり、
一緒に考えてくれそうな人に相談したり。異なる情報がいくつも出てきて
迷ったら、さらに相談すればいい。そうやって人は人にいっぱい頼った上で
解決策を導き出せることが、本当の自立だと思います。」
「依存の反対は、死rふではなく繋がりだと主張しています。
また、自立とは依存先を増やすことである〜
ー中略ー
誰にも頼らず生きていける人などいません。頼れる人をどんどん増やして
その助けを借りながら生きていくことが自立です。たくさんの人に依存することこそ、
依存症にならないための、また依存症から立ち直るための最善の策なのです。」
松本俊彦 「世界一優しい依存症入門」 20221.8 河出書房新社
