11/30雑記

 

『ショーウインドウに明るんだ空が映っている。

そのさなかを、すうっと横切る鳥の一群。

あっと固唾をのんで振り向き、天羽さんは空を仰いだ。雁の群れだった。

小さな影が見えなくなるまで見送ったあと、再びショーウインドウを見た天羽さんは愕然とした。

雁の姿が一瞬かすめたウインドウの景色と、夜を徹して作り上げたディスプレイ。

まったく違ったものに見えたのだ。』

 

 

原田マハ『さいはての彼女』冬空のクレーン 角川文庫 2008.9

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